科学・技術・情報と社会−テレビ新時代と公共放送−(前期2単位、全学1年生)


概 要
 この講義は共通教育科目「情報と社会」の一つ−テレビ新時代と公共放送−の講義である。講義は、NHK福岡放送局の放送マンおよび教員のオムニバスで進められる。
 今日の情報社会において、急速に普及してきたインターネットは、SNSやミニブログをはじめとして、不特定多数に対する情報発信を個々人のレベルで可能にした。他方、放送の世界においても、2011年7月の地デジ化以降、従来のアナログ方式からデジタル方式への技術革新によって、送られてきたものを「受動的に見る」だけのものから、双方向性・オンデマンド性を獲得して「能動的に使う」ものへとサービスが高度化し、メディアの性質が変貌しようとしている。本講義は、公共放送としてのNHKの使命、地域の放送局としてのNHK福岡放送局の事業展開について現場のプロの話を聞いて学ぶ。急速に発展する情報社会とメディアとの関係を深く考えてもらい、情報社会におけるメディアリテラシーを身に付けることを目標としている。
 講義は、NHK担当者の回は前半60分間講義の予定である。後半30分間は担当教員の司会で質疑応答ならびに対話を行う。必要に応じてミニッツペーパーやアナライザーによる質問も行う。
到達目標
 メディアの現状について知り、ジャーナリズムについて理解すること。多くのプロによって、いかにして番組が生み出されているのか、製作現場の現状を知ること。最新の放送技術の動向について知り、それが原因となって生じた社会の変化について見識を得ること。放送が直面している問題や発展の方向性について見識を得ること等が目標である。
参考書
 テキストではないが、図書館で借りるなどして一読して頂きたい。
・ 今野 勉『テレビの嘘を見破る』新潮社,2004,735円。 ISBN 4-7571-0091-4
・ 橋元 良明『メディアと日本人――変わりゆく日常』2011, 798円。 ISBN 4004312981

授業計画
授業計画
1 NHK,そして軍師官兵衛 田口 五朗(NHK福岡放送局局長)
2 公共放送と受信料−受信料制度−横山 徹(営業推進部部長)
3 地域発の放送番組−地域発番組の企画・制作−中村 貴志(放送部CP)
4 インターネットと放送 藤村 丞(福岡大学総合情報処理センター准教授)
5 公共放送の新サービス−ソーシャルサービス−塩瀬 竹彦(放送部副部長)
6 ニュース取材−事件・事故・災害の報道−安田 昌彦(放送部記者)
7 地域に向けた広報活動 平岡 大典(チーフディレクター)
8 アナウンス−言葉による表現について−曽田 孝(放送部専任部長)通信と放送の融合
9 放送と法 井上 禎男(福岡大学 法学部 准教授)
10 ニュース映像の取材・編集−末永 達治(CC)・柴田 勇一(副部長)
11 奥村 勝(福岡大学 総合情報処理センター 准教授)
12 デジタル時代の番組制作技術−放送技術の開発と運用−内野 靖博(CE)
13 未来のテレビ−NHKが開発している新時代のテレビ−古都 茂樹(放送部副部長)
14 統計学から見た視聴率−サンプル調査の信頼性−杉万 郁夫(福岡大学 理学部 准教授)
15 公共放送と民間放送−講義の総括− 永星 浩一(福岡大学 商学部 教授)
 Hintは事後学習のヒントです。

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