情報社会論(後期2単位)(2年次以上)


※ 2024年度は担当しません。昼間部。第二部ともに担当の先生のシラバスをお読みください。

概 要

 私たちは高度情報社会において社会生活を送っています。現代の市場経済社会では仮想空間において多数の売り手と買い手が取引をおこなっています。価格をはじめとした「情報」は、昔から市場における決定要素として重要な位置づけがなされてきましたが、それらを取り巻く環境に大きな変化が起こりつつあります。
 これらの変化を見ていく上で、まず現代の情報メディアや情報端末が従来からの情報伝達メディアとどのような点で異なり、この変化をもたらすことになったのかについて明らかにする必要があります。それを解き明かすカギとなるのがアナログからデジタルへの変化です。また、広告との関連で情報を保存するメディア・情報を運ぶメディア、販売単価としての視聴率、さらにはネット広告についても解説します。
 本講義では、市場経済の存立上重要なポイントである、情報社会における情報倫理問題も取り上げます。ネット市場を脅かすサイバーテロ、ネット社会における肖像権やプライバシー権をはじめとした個人の権利、知的財産権については産業財産権と著作権、フェアユースの問題、さらに個人情報の保護、サイバー市場を支える暗号技術について取り上げます。暗号技術ベースとした仮想通貨やNFT(非代替性証票)についても取り上げます。近年、急速にSNSが浸透し、ビジネスにおいても大きな影響を及ぼすようになっています。市場のEC化ひいてはソーシャル化にまつわる問題、それらがどのように進展し、社会をどのように変えてきつつあるのかを解説します。
 授業は講義形式で行います。切りの良いところで質問がないか尋ねます。講義の進行上問題がない範囲で随時の質問にも応じます。

到達目標

  • アナログ時代からデジタル時代へ、社会はどのように変わったか、「メディア」をキーワードとして説明できる。(知識・理解)
  • 情報社会の成立において、どのような制度の見直しが必要であったか、知財及び個人情報の観点から説明できる。(知識・理解)
  • 情報技術と結びついた人工知能(AI)が、今後の社会にどのような影響を与えるか説明できる。(知識・理解)
  • 情報社会においてビジネスチャンスは拡大したが、従来の商業の中には苦境に立たされているものも存在する。それらは今後どうあるべきか、知見に基づいた考えを述べることができる。(技能)

授業時間外の学習

事前に授業計画のテーマについてパワーポイントの資料を参考に、疑問点や最新の動向について調べておきます。なお、パワーポイントの資料等は事前に講義照会にPDFでアップロードしておきます。(60分)
事後学習として、授業中にとったノートを後から読めるように清書します。(30分)
・e-Gov 法令検索で、関連する法律の条文に目を通すことが出来ます。ただし、法律の正式名称で検索しないと絞り込みができないので注意してください。
・ビデオ教材「情報システムと現代社会」(学内のみ)
・Video Research Ltd.『視聴率ハンドブック』:視聴率と広告
・消費者庁「個人情報の保護のページ」は個人情報保護に関する平易な解説です。
・経済産業省「電子商取引実態調査」

成績評価基準および方法

評価基準
 到達目標に示した内容について、データや事例を基に具体的かつ的確に自分の言葉で説明できているかを評価の基準とします。

評価方法
 定期試験の成績は60%、平常点は40%です。平常点は出席することが大前提です。毎授業中ポータルの小テスト機能で行う確認テストを平常点として評価に反映させます。

授業計画

情報社会論

1

イントロダクション(スタートアップ授業)

2

情報を保存するメディアと情報を運搬するメディア 

3

電気通信−有線と無線−   

4

電磁波の利用−放送、通信ほか−  

5

携帯電話・デジタル放送の方式

6

コンピュータの開発と発展

7

デジタル化と圧縮

8

インターネットの仕組み護 

9

インターネットの暗号技術 

10

ブロックチェーン−仮想通貨とNFT−

11

現実の社会と仮想社会−メタバースの可能性と限界− 

12

情報社会における知的財産権(著作権と産業財産権)

13

マイナンバー法と個人情報保護法

14

TVの視聴率調査とネット広告

15

メディアとPost Truth


履修上の留意点

  テキストは指定しません。以下に挙げる参考資料をネットで読んだり、図書館で参考になりそうな本を積極的に探したりして読むよう心がけてください。パワーポイントの資料はあらかじめポータルでPDF形式で提供します。
 なお、プレゼンテーション資料は、講義で口で説明することや黒板に書かれるコンテンツと同様、「丸写し」したり、「綺麗に清書」したりする事は非効率であり、また難しいことです。授業中のノートはパパッと「メモ」として書き留め、授業が終わってなるべく早めにノートとしてまとめましょう。テキストに書かれていないことや、書かれていても補足説明となっているものなど、テキストでは得られない情報を、必要の範囲で要約してノートとしてまとめることで、後の学習に役立てることができます。


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