情報倫理(前期2単位)(1年次以上)
概 要
携帯電話やスマートフォンの情報端末の普及などによって、機器の基本的な操作ができる若者が増加する一方、社会が健全であり続けるために必要とされるネットワークや情報の利用マナーを個人が身に付けることはより難しくなってきています。例えば、メールの同報機能は、抵抗なく使用すると個人情報の保護の問題に抵触する可能性があるとか、震災時に善行を装ったデマのチェーンメールに引っかかると被害者であると同時に加害者ともなりうることなど、自然に身につくものではなく、「情報技術や情報社会の知識」とともに、きちんと学ぶことによってしか身につきません。これらの知識と密接な情報マナーの事例は数多くあります。例えば、音楽CDなど、著作権法で規定された私的利用を逸脱したコンテンツのコピーが一般化して、産業の健全な発展の阻害要因ともなっている現状があります。文字情報に関しても、洋の東西を問わず、ほとんどの大学で、ネット情報のコピー・アンド・ペーストでレポートを作成することに抵抗のない学生が増えたことで苦悩しています。このままでは、私たちの暮らしを豊かにするはずだった情報社会の深化が、社会を支えるべき人間を、ひいては社会そのものを劣化させることにもつながりかねません。
このような現実に対して「こうすべき」とか「こうしてはならない」といった単なる題目を唱えるだけでは実質的な効果は期待できません。事実関係としての情報と社会倫理とのかかわりに関する「知識」ひいては「見識」に裏打ちされた倫理意識を身に付け、情報(産業)社会の健全な発展に寄与することのできる資質を身に付けた人材が社会に輩出されることこそ大切で、この科目の目的でもあります。その目的のため、本講義では、情報倫理だけでなく、情報化の歴史と社会の変化、経済の受けた影響なども関連知識として取り上げます。
授業は講義形式で行います。切りの良いところで質問がないか尋ねます。講義の進行上問題がない範囲で随時の質問にも応じます。
到達目標
授業時間外の学習
テキストは、講義の1回分がちょうど1章分になります。該当する章を事前に読んでおき、疑問点などをメモしておいてください。(60分)
事後学習として授業で学んだことをノートにまとめます。(30分)
成績評価基準および方法
テキスト
授業計画
情報倫理 |
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1 |
イントロダクション(スタートアップ授業) |
2 |
情報社会と情報倫理 |
3 |
ネットとコミュニケーション |
4 |
メディアの変遷 |
5 |
メディアリテラシー |
6 |
情報技術とセキュリティ |
7 |
インターネットと犯罪 |
8 |
プライバシーと個人情報 |
9 |
知的所有権 |
10 |
企業と情報倫理 |
11 |
科学技術と倫理 |
12 |
ビッグデータとAIの倫理 |
13 |
デジタルデバイドとユニバーサルデザイン |
14 |
SNSと情報モラル |
15 |
情報通信社会とリテラシー |
正当な理由のない授業中の入退室や私語、室内での着帽、授業とは無関係のスマホ操作、居眠りなどの迷惑行為は行わないでください。授業中に行う小テストで人に答えを教えてもらうのは不正行為です。